秋の夜長
秋と言えばまず何を思い浮かべますか?
運動会、サンマの焼ける匂い、真っ赤なモミジ、まんまるお月さま、ススキの野原と赤トンボ・・・。
その中でも由緒正しい日本の秋を語るのに欠かせないのが、秋の音色、虫の声でしょう。
昔の人が秋の風情を詠んだ和歌がたくさんありますが、万葉集にもこんな和歌がありました。
「夕月夜 心もしのに白露の 置くこの庭に こほろぎ鳴くも」
私がすぐ思い出す歌は、和歌でなく童謡「♪あれ松虫が鳴いている ちんちろ ちんちろ ちんちろりん・・・」の「虫の歌」ですね。
秋の夜には、身近なところでいろいろな虫たちが美しいメロディを奏でてますね。ちょっと耳をすまして虫の音楽を聴いてみましょう。
鳴く虫の有名児(虫?)といえば、なんといってもスズムシでしょう。「リ~ン リ~ン」と響き渡る声は秋の代名詞ですね。次は、中国渡来の南蛮児のアオマツムシが「リーリーリーリー」。マツムシが「チンチロチンチロ」と鳴けば、エンマコウロギが「コロコロコロリー」。負けじとミツカドコウロギは「ジッジッジッジッ」。
♪秋の夜長を鳴き通す ああおもしろい虫のこえ♪ でした。
ところで知ってました? 日本人以外の多くの国々の人達は、虫の音を雑音だと感じるらしいとい事。なぜそうなのかと疑問に思い、その理由を研究した人がいたそうです。
日本人は、虫の音を左脳を使って言語として処理し、虫の音を聞きわけてるのに対して、日本人以外の人達は、右脳で処理してるので雑音と感じるからだそうです。左脳で虫の音を処理してるかどうかわかりませんが、夏の終わりと秋の気配を自然の風情と、虫の音で感じる私にとっては心地良い風景と共に聴いていることは確かです。
さて今夜は、そっと窓を開け虫たちのオーケストラに耳を傾けてみませんか。
自然派スタッフのTでした。